本稿は、ルクセンブルクを拠点とする生命保険会社の2021年末ソルベンシーおよび財務状況報告書(Solvency and Financial Condition Reports、SFCRs)の実例について考察します。 欧州の保険会社が年次SFCRsの公表するのは、2021年末で6回目となりました。本稿では、2021年の総引受保険料ベースで選んだルクセンブルクを拠点とする生命保険会社15社のSFCRsを分析しています。本稿は、SFCRsとともに公表された定量的報告テンプレート(Quantitative Reporting Templates、QRTs)に含まれる主要情報に依拠しています。導入部に続き、以下について論じます。
- 保険料および運用実態の分析
- ソルベンシー資本要件
- ソルベンシーカバー率の分析