米国のヘルスケア診療制度は、インフルエンザウイルスによる感染症関連の急性期治療に対する需要の季節変動には慣れています。とはいえ、2020-21年シーズンのインフルエンザ関係とみられる入院および死亡の報告件数は、それ以前の最も少ない期間の推計をはるかに下回るものでした。ミリマン・メッドインサイトの発生経験(Milliman MedInsight’s Emerging Experience)リサーチデータを分析したところ、インフルエンザによる診療所受診、救急受診、入院の2020年利用率は、前年と比較して94%も低く、2018年との比較では86%低いことがわかりました。本稿では、この激減を説明する3つの仮説について論じます。
インフルエンザ・シーズン消滅のミステリー