本稿は、ベルギーを拠点とする大部分の生命保険、損害保険、生損保兼営保険会社の2021年末ソルベンシーおよび財務状況報告書（Solvency and Financial Condition Reports、SFCRs）に着目します。欧州の保険会社が年次SFCRsを公表するのは、2021年末で6回目となりました。本稿では、2021年の総資産に基づいて選んだベルギーの保険会社41社のSFCRsを分析します。序論に続き、以下について分析しています。

• ソルベンシーカバー率
• ソルベンシー資本要件
• 自己資本
• 繰延税による損失吸収機能（Loss-absorbing capacity of deferred tax 、LACDT）と技術的準備金による損失吸収機能（loss-absorbing capacity of technical provisions、LACTP）
• 運用、技術的準備金、暫定的長期保証の測定
• 保険料、コンバインドレシオ、経費率