経済シナリオジェネレーターは、保険会社にとって不可欠なツールです。市場整合的シナリオの生成には、モデルを現在の市場情報でキャリブレーションする必要があります。ジェネレーターの中では、金利モデルが実務担当者の注目を集めています。金利モデルはこの10年間で著しく複雑性を増しているほか、デリバティブには高速かつ正確なプライシング手法が求められています。本稿では、拡散変換と確率的ボラティリティの枠組みを用いたLibor市場モデル(Libor market model with a displaced diffusion and stochastic volatility、DD-SV-LMM)の下で、フーリエ級数を用いた密度近似に基づく効率的なスワップション・プライシング手法について解説し、以下について論じます。
- 本手法を使用する理由
- DD-SV-LMM
- コサイン展開
- DD-SV-LMMのキャリブレーション